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日本工営株式会社の人流ビッグデータを活用した新サービス「N-LOUPE」開発支援 機械学習 / アルゴリズムソリューション

日本工営株式会社
事業戦略本部 事業開発部
西村直峻様

課題

ID&E グループの日本工営株式会社では、人流ビッグデータを活用した新サービス「N-LOUPE」の開発において、以下の技術的課題がありました。

  • ダッシュボード開発に必要なデータフォーマットや解析環境の整備・改良
  • 既存アルゴリズムを改良し、モジュール化による処理効率化
  • アルゴリズム実行の自動化と、AWSを活用したサーバーレス・アーキテクチャの構築

これらは、サービスの運用効率を高め、同社コンサルタントの工数削減のために不可欠な要素でした。

ソリューション

ログビーの、自然言語処理や最適化アルゴリズムの博士・修士課程の研究バックグラウンドを持つデータサイエンティスト、インフラエンジニアのチームにより、以下の業務を支援しました。

  • AWSを⽤いたデータ解析環境の整備
  • PythonライブラリGeoPandas等を⽤いた既存アルゴリズムの改良・モジュール化
  • AWS(EC2, Lambda)等を⽤いたサーバーレス・アーキテクチャ構築
  • 上記開発環境に伴うセキュリティ対策を含めたインフラ整備

効果

「N-LOUPE」を予定通りサービスインすることに貢献しました。

西村様からのコメント

「ご担当者の方々の柔軟なコミュニケーションと対応力には本当に助けられました。当社の組織変更に伴う追加のセキュリティ対策・対応やその他常時発生しうるAWSのセキュリティアラートの対応等、課題が発生するたびに相談に乗っていただき、修正・対応いただきました。そういった一つ一つのタスク消化が今回のスケジュール通りのサービスリリースにつながったと思っております。」

インタビュー

ID&Eグループは、「コンサルティング事業」「都市空間事業」「エネルギー事業」の三領域における成長戦略を推進し、時代とともに変化するグローバルな社会課題に対し、その解決のために変化を恐れず成長し続けるコンサルティング&エンジニアリング企業集団として、持続可能な社会の実現に貢献しています。日本工営株式会社は「コンサルティング事業」を担う主要会社として、日本国内外におけるインフラ整備を幅広く支える総合エンジニアリング企業です。

人流ビッグデータを活用した「N-LOUPE」の 開発背景

日本工営の事業戦略本部 デジタルビジネス推進室(2024年3月プロジェクト開始時点)のミッションは、従来の建設コンサルティング(主に公共市場)に加えて、新規事業を創出することでした。収益性の観点からも、コンサルティングサービスだけでなく、デジタルプロダクトを開発し、サブスクリプション等の継続課金モデルで収益化する事業開発が必要だという認識がありました。

デジタルビジネス推進室に所属する西村様は、学生時代から人流データに関わり、入社後も研究所や社内業務を通じて人流データ活用の検討を継続してきました。その中で、既存の分析ロジックを製品化し、処理の効率化や仕組み化を進めれば、商品として成立させられるのではないか、という着想を得ました。その後、位置情報データプラットフォームの事業を行うデータプロバイダーとの出会いをきっかけに協業の話が具体化し、人流ビッグデータでまちづくりの課題を解決する「N-LOUPE」の商品開発へと進んでいきました。

「N-LOUPE」の 開発における課題

「N-LOUPE」の商品化にあたり、研究所側でコードを書くこと自体は可能だったものの、当時は社内でAWSを導入して間もない時期であり、AWSを用いてプロダクトを構築・運用できる人材が社内にほとんどいませんでした。そのため、組織としても対応が難しい状況でした。また、商品開発を進めるには、社内に蓄積されていた既存アルゴリズムをそのまま使うのではなく、修正してモジュール化し、さらにAWSを活用したサーバーレス構成で自動化することが不可欠だという課題がありました。これによりサービスの利用効率を高めるだけでなく、社内の作業負担を軽減することも狙いでした。「N-LOUPE」において、既存アルゴリズムをどのように自動化し、サービス提供のプロセスに組み込むかが中心課題であり、それが最終的には工数削減、ひいてはコスト削減を通じて商品としての採算性向上につながると考えていました。

ログビーを選んだ理由

ログビーを選んだ理由は大きく三つあります。1つは、AWS環境の構築やデータ解析基盤の設計・運用に関する経験が豊富だった点です。当時は社内の実装が技術者の手作業に依存しており、Pythonライブラリも複数利用していたため、全体として整備が行き届かない状態でした。そこで、AWS環境の構築や解析基盤の設計・運用に強みを持つ会社に任せたいという考えがありました。2つ目は、地理空間データ処理を含む人流データの特性を踏まえ、アルゴリズムの改良まで対応できる点です。人流データは地理空間データ処理を伴うなど一般的な開発案件よりも特殊性があるため、その前提を理解したうえで適切にアルゴリズムを改良できる会社を選ぶ必要がありました。そして3つ目は、初期フェーズのアジャイル開発に対して柔軟に対応できる点が挙げられます。プロダクト開発の初期段階では、進めながらセキュリティ要件や追加ニーズなどの課題が次々と顕在化し、月ごとに委託したい業務内容が変わりやすくなります。柔軟に依頼できる点が非常に魅力でした。

ログビーへの依頼内容

開発開始時点では整った開発環境がほとんどなく、AWS上に最低限の基盤がある程度だったため、まずはデータ分析・改善のための環境構築を依頼しました。加えて、研究所側でアナログ的に作っていた既存アルゴリズムについて、商品化に向けて改良・整理を行い、さらにモジュール化する作業も依頼しました。その上で、モジュール化した処理をAWS上で動作する形に構築し、自動化して運用できる状態にすることが、初期段階における主な依頼範囲でした。その後、開発が進むにつれてアジャイル的に要件が変化し、セキュリティ対策などの追加対応が次々に発生したため、それらへの対応や周辺整備についても追加で依頼していきました。

効果

成果として最も分かりやすい点は、「N-LOUPE」を当初の予定どおりにサービスインできたことであり、ログビーによる支援の効果が大きかったと評価できます。特に助かった点として、担当者が複数名にわたりながらも、Teams上で柔軟にコミュニケーションを取りつつ迅速に対応していただきました。課題が発生した際にも、タスクを一つひとつ切り分けてスピーディーに対応し、着実に解決へつなげられた点が心強かったです。背景には、日に日に厳格なセキュリティ要件が求められる状況があります。その過程で、AWSに関するセキュリティ対応が随時発生し、都度相談しながら修正対応を積み重ねてきました。こうした追加対応を柔軟に回せたことが、結果として予定どおりのスケジュールでサービスをリリースできた要因だと捉えています。

今後の展望

今後の展望として、会社全体としては事業開発をさらに推進していく方針です。その中でも、社内の既存技術を型化・自動化し、継続的に展開していくことに大きな可能性を感じています。「N-LOUPE」については今後も拡販を継続しつつ、併せて、さらなる提供形態を企画・検討していきたいと考えております。裏側の仕組みとしては、データの維持やデータ処理にかかるコストを最適化し、運用コストをできるだけ抑える取り組みを今後も継続していきたいです。また、自動化をさらに推進するため、現状のAWSコンソールを操作しながら行うデータ処理から、最終的にはWebサービス化へ移行し、社内運用としてはUI操作だけで誰でもデータ処理を実行できる状態を目指しています。AWSの専門知識がなくても運用できる状態にできれば、運用負荷が下がり、結果としてコストも大きく削減できる見込みがあるため、まずはWebサービス化、UI中心の運用にすることが当面の目標です。

西村様と当社データサイエンティスト






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